爪のピンクの部分を伸ばす

爪のピンクの部分を縦長にする
理論上は左図のように爪のピンクの部分を育成することも可能です。爪を伸ばしても白い部分の割合が増えるだけで、ただ爪が長いだけの指になってしまいます。そこで、ピンクの部分を育成しピンクの比率を高くすることで美しい爪を作ります。「そんなこと出来るの?」「指の健康に悪いのでは?」と思う方も多いと思いますので順を追って説明していきたいと思います。

医学的にネイルをサポート

爪の名称

爪の構造

ピンクの部分とは右図の「爪甲(そうこう)・爪床(そうしょう)」の部分です。構造的には血管や神経のある爪床の上に爪甲が乗っている形となります。爪甲はほぼ透明で爪床の毛細血管の色が透けて見えるため健康な爪は薄いピンク色をしています。この爪甲部分を縦長にしてイエローラインを指先の方に押し上げることで「ピンクの部分縦長にする」爪を作っていきます。

 

ハイポニキウム

フリーエッジの長さをそのままにイエローラインを押し上げて爪甲を伸ばすには「ハイポニキウム」を育てる必要があります。ハイポニキウムは爪下皮(そうかひ)とも呼ばれ、主に「爪と指をくっつける役割」「爪と指の間から菌が入らないよう守る役割」という働きをしてくれています。爪を裏側から見ると、爪と指の間に白い皮のような皮膚が見えると思いますが、この白い皮のような皮膚がハイポニキウムです。

 

ピンク部分が小さい原因を知る

ここまでで、ピンク部分を長くするには、フリーエッジ部分をそのままの長さにして爪床だけを伸ばす必要があり、それにはハイポニキウムの育成が必要という事がわっていただけたかと思います。では、そもそも爪の小さい方はどのような状態になっているのか考えてみる必要があります。爪のピンク部分が短いということは、ハイポニキウムが短いということになります。理由はとして代表的なものは「乾燥」「日常的なダメージ」の2つです。

ハイポニキウムはしっかりと保湿してあげないと育ちません。洗剤や手洗いで必要な油分を落としてしまい乾燥させてしまうことも原因となります。

深爪をするとハイポニキウムを無理矢理剥がしている状態となるため小さな爪の原因となります。普段の生活では、指先を使う仕事(パソコンなど)や缶のプルトップに爪をかける時、爪の裏のごみをとる時などもハイポニキウムへのダメージに繋がっています。

 

爪の健康と知識

専門家に相談する

ご家庭でできるケアとして、深爪をしない、指のマッサージ(指の血行が良くなるので爪が伸びやすくなり健康になります)、爪と指の間をキレイな状態で保つ(過度な掃除はダメージに繋がるのでご注意ください)、ハンドクリームを爪の裏にも塗り込む(保湿)といった手軽に実践できるものもありますが、基本的には専門家への相談が安全です。ただし、ネイリストさんも指先の専門家ではありますが、一般のネイルサロンでこういった相談をするのは注意が必要です。ネイリストには様々な資格がありますが、残念ながら「国家資格」は存在しません。手先が少し器用で友達や家族にネイルを施せるくらいのレベルでも立派な「ネイリスト」なのです。ネイル技術は年々高くなってきていますが、指先の知識をしっかりと身に付けたネイリストは少なく、健康について意識が高いネイルサロンは圧倒的に不足しているのが現状です。暗に皮膚科の重要性を宣伝しているわけではありません。爪の健康と知識については医療者とネイリストさん全体で取り組んでいかなければいけない問題なのです。指先の健康に不安のある方のネイルやは、しっかりとした知識のあるネイルサロンであるかを必ずご確認ください。ネイル前に皮膚科への相談をしていただくのも有効な手段です。

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